WIPOディスタンス・ラーニングについて
世界知的所有権機関(WIPO)のウェブサイトでは、”Distance Learning”という名称で、誰でも受講することができる知的財産法に関する様々な種類のオンライン・セミナーを開設している(※1)。有料のコースと無料のコースがあり、様々な言語に対応している。数ヶ月の受講期間中に視聴して一通り学習したあと、指定された日に、試験(Final Exam)がある。途中でやめたくなっても、視聴期限や最終試験の期日が決まっているので継続的に受講する動機付けになる。また、英語のコースは英語の勉強にもなるのですでに一通り内容を理解している人でも、英語のクラスを改めて受講してみるのもよい。数は少ないが日本語のコースもあるようである。なお、日本語の学習教材を希望される方はINPIT(工業所有権情報資料館)のウェブサイト(※2)の方が充実している。
入門編としては、無料で知的財産権全般について学習できる”DL-101 General Course on Intellectual Property”がよいかも知れない。カリキュラムを転記する。もちろん、より進んだ内容を学習できるアドバンスコース(Advanced Courses)もある。
Curriculum
The DL-101 course is comprised of the following modules and final exam:
- Guide to Studying the Course
- Module 1: Introduction to IP
- Module 2: Copyright
- Module 3: Related Rights
- Module 4: Trademarks
- Module 5: Geographical Indications
- Module 6: Industrial Design
- Module 7: Patents
- Module 8: Unfair Competition
- Module 9: WIPO Treaties
- Module 10: Protection of New Varieties of Plants
- Module 11: Introduction to Traditional Knowledge, Traditional Cultural Expressions and Genetic Resources
- Module 12: IP and Development
- Module 13: Summary and Discussion on Intellectual Property Rights
- Final Exam
Final Examに合格すると受講証明書のPDFデータがダウンロードできる。
「CERTIFICATE
This is to certify that
***** ****** (Name)
has successfully completed the distance learning
GENERAL COURSE ON INTELLECTUAL PROPERTY」 と記載されている。
CERTIFICATEは英語のリスニング及び読解能力と知的財産法に関する基本的な理解を備えていることの一応の証明になり、当事務所の事務職員等の採用資料としても使えそうなので、今後ぜひ検討したいと考えている。企業の知財部門であれば新入社員教育の教材としても使えるのではないか。
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※1 WIPO ディスタンス・ラーニング(オンライン・トレーニングコース)ウェブサイト
https://www.wipo.int/academy/en/courses/distance_learning/
※2 INPIT(工業所有権情報資料館)ウェブサイト
https://ipeplat.inpit.go.jp/Elearning/View/Login/P_login.aspx