米国特許法改正のお知らせ(PLT関係)

米国特許法の比較的マイナーな改正法が今年10月21日に成立し、2013年12月18日より施行される。米国特許法の改正といえば、先願主義への移行を伴う大改正、 Leahy-Smith America Invents Act (通称、「AIA」)が段階的に設定された施行日を経て、今年3月16日をもって全面的に施行されたところであることは記憶に新しいが、今般の改正はPLT(Patent Law Treaty;特許法条約)加入に向けて改正であり、主にパリ優先権の期限徒過の救済規定(規則1.55)、及び、年金不納により消滅した特許権の回復要件の緩和(セクション27追加)、を柱とする。その他、出願日確保の要件(規則1.53b, 1.53f, 1.57a)、特許期間調整(Patent Term Adjustment)(規則1.704)などに関する。

http://www.gpo.gov/fdsys/pkg/FR-2013-10-21/pdf/2013-24471.pdf

ちなみに、PLTが加盟国に立法化を要求する、出願人乃至特許権者に対する期限徒過の救済規定には、Unintentional(故意でない)場合であれば救済される、いわば「寛大な基準」と、Due Care(すなわち、「正当な理由」と認められる場合にのみ救済される、「少々厳しい基準」と、の、いずれかを、加盟国が選択できるようになっている。
我が国の特許法は、”Due Care基準”が採用され、すでに平成23年に法改正(平成23年法律第63号、平成24年4月1日施行)が終了しているが、米国も国内向けの大改正が一通り終わってようやく国際調和のための法整備に着手した、といったところであろう。

なお、今般施行される米国改正法における、「Unintentional」を理由とする優先権の回復及び特許権の回復に必要なオフィシャルフィー(庁費用)はいずれも2013年11月15日現在で1,700US$(スモールエンティティは半額)、とのこと。