米国最高裁判所判決(Global-Tech Appliances, Inc. v. SEB S.A. ) 35USC271(b)

2011年5月31日、米国最高裁判所は、米国特許法§ 271(b)(35 U.S.C. §271(b))における特許侵害の誘引の認定に必要な「誘引により引き起こされた行為が特許侵害を構成するという認識」の基準として”willful blindness”基準を採用しました。ちなみに、CAFCでは、”deliberate indifference to the risk of infringement”だったということです。

被告側の過失を表す点でどちらも同じような意味であると考えられますが、今般の最高裁判決により、今後の実務としては、権利者による過失の立証負担がこれまでよりも軽減され、逆に、被告側としては、誘引された行為が特許を侵害すると明確に認識していなくとも、「誘引により引き起こされる行為の侵害性を知ろうとすることを積極的に誘引者が避けようとした場合」には特許侵害の誘引が認定されるとのことです。

(参考)

米国特許法 第271条 特許侵害
(a) 本法に別段の定めがある場合を除き,特許の存続期間中に,権限を有することなく,特許発明を合衆国において生産し,使用し,販売の申出をし若しくは販売する者,又は特許発明を合衆国に輸入する者は,特許を侵害することになる。
(b) 積極的に特許侵害を誘発する者は,侵害者としての責めを負わなければならない。
(以下略)

米国特許法(仮訳) 特許庁ウエブサイトより

http://www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/fips/pdf/us/tokkyo.pdf

(※AIA改正前)

Amster Rothstein & Ebenstein法律事務所ウエブサイトより
http://www.arelaw.com/publications/view/element-of-claims/