東日本巨大地震に対する特許法等上の措置等について

 昨日発生した三陸沖を震源とする東日本巨大地震に被災された方々に対して心よりお見舞い申し上げます。今回の地震を受け、各企業の知財部門の方々におかれましては、今後の知財業務についても種々の影響がでることも予想されます。

 今回のような未曾有の大地震は特許法上、本人の「責めに帰すことができない理由(不責事由)」にあたり、法定期限を徒過せざるを得ない場合でも、所定の条件下で救済されます。その他、何らかの追加的措置が講じられることも予想されます。弊所ではそのような情報について随時ご提供させていただきます。

 私事ながら小職も弊所メンバーで唯一首都圏出張中に被災しました。昨日は帰宅困難として首都圏の避難所で一夜を余儀なくされましたが、幸いにも別条無く、本日無事帰宅いたしました。週明けの月曜日(3/14)より弊所は通常通り業務を行う予定です。
 今後、復旧に向け懸命のご努力が続けられることと存じますが、知財業務について弊所でできることがございましたら遠慮なくご質問ご相談くださいますようお願い申し上げます。

2011年3月12日

森脇特許事務所 代表弁理士 森脇正志

 

(参考)

<特許法上の救済規定>

(実用新案登録に基づく特許出願)
第四十六条の二  実用新案権者は、次に掲げる場合を除き、経済産業省令で定めるところにより、自己の実用新案登録に基づいて特許出願をすることができる。この場合においては、その実用新案権を放棄しなければならない。
(中略)
三  その実用新案登録に係る実用新案登録出願又はその実用新案登録について、実用新案登録出願人又は実用新案権者でない者がした実用新案技術評価の請求に係る実用新案法第十三条第二項 の規定による最初の通知を受けた日から三十日を経過したとき。
2  (略)
3  第一項の規定による特許出願をする者がその責めに帰することができない理由により同項第三号に規定する期間を経過するまでにその特許出願をすることができないときは、同号の規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、二月)以内でその期間の経過後六月以内にその特許出願をすることができる。

(特許料の追納による特許権の回復)
第百十二条の二  前条第四項若しくは第五項の規定により消滅したものとみなされた特許権又は同条第六項の規定により初めから存在しなかつたものとみなされた特許権の原特許権者は、その責めに帰することができない理由により同条第一項の規定により特許料を追納することができる期間内に同条第四項から第六項までに規定する特許料及び割増特許料を納付することができなかつたときは、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、二月)以内でその期間の経過後六月以内に限り、その特許料及び割増特許料を追納することができる。
2 (略)

(拒絶査定不服審判)
第百二十一条  拒絶をすべき旨の査定を受けた者は、その査定に不服があるときは、その査定の謄本の送達があつた日から三月以内に拒絶査定不服審判を請求することができる。
2  拒絶査定不服審判を請求する者がその責めに帰することができない理由により前項に規定する期間内にその請求をすることができないときは、同項の規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、二月)以内でその期間の経過後六月以内にその請求をすることができる。

 

<商標法上の救済規定>

(商標権の回復)
第二十一条  前条第四項の規定により消滅したものとみなされた商標権の原商標権者は、その責めに帰することができない理由により同条第三項の規定により更新登録の申請をすることができる期間内にその申請ができなかつたときは、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、二月)以内でその期間の経過後六月以内に限り、その申請をすることができる。
2  前項の規定による更新登録の申請があつたときは、存続期間は、その満了の時にさかのぼつて更新されたものとみなす。

(拒絶査定に対する審判)
第四十四条  拒絶をすべき旨の査定を受けた者は、その査定に不服があるときは、その査定の謄本の送達があつた日から三月以内に審判を請求することができる。
2  前項の審判を請求する者がその責めに帰することができない理由により同項に規定する期間内にその請求をすることができないときは、同項の規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、二月)以内でその期間の経過後六月以内にその請求をすることができる。

(防護標章登録に基づく権利の存続期間の更新登録)
第六十五条の三
1~2 略
3  防護標章登録に基づく権利の存続期間の更新登録の出願をする者は、その責めに帰することができない理由により前項の規定により更新登録の出願をすることができる期間内にその出願ができなかつたときは、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、二月)以内でその期間の経過後六月以内に限り、その出願をすることができる。